これまで登場したオムニバス盤にも収録されていた、というか戦前ブルース、特にデルタ・ブルースを聴いていく上では外すことの出来ない、デルタ・ブルースの巨人、創始者とも呼ばれる、チャーリー・パットンの単独アルバムを手にすることができました。
「The Immortal Charlie Patton Number1(1929-1932)」
(Origin Jazz Library OJL-1)
※普通は「Charley」と表記されるところ、このアルバムは「Charlie」となってますね。
アルバムについての詳細はちょっと分かりません。
また、収録曲については省きますが、前回ブログに掲載したデルタ・ブルースのオムニバス盤「Delta Blues – Vol.1(1929-1930)」に収録されていた3曲中、「Elder Green Blues」「Some These Days I’ll Be Gone」の2曲が、ここでも収録されています(テイクまではわかりませんが)。
アルバム中、3曲ではフィドルの相棒ヘンリー・シムズが参加していますが、それ以外は弾き語りですね。
この人は何と言っても、ダミ声ともいえる、図太く、シャウト気味にもなる力強いヴォーカルが説得力があり圧巻ですね。貫禄です。
ジャケットで使われているお馴染みの写真を見ていても、正直、この声はイメージできなくて、初めて聴いたときは、あまりの迫力に違和感があったくらいです(笑)
そしてそのヴォーカルを見事にサポートする、ギターのテクニッックも素晴らしいですね。
時に叩き付けるように強烈にビートを刻み、時に絶妙に歌に追随する高音部やスライド。
これもたまりません。
とはいっても、ディープで重厚な迫力あるブルースばかりではなく、彼がいた、よく知られたドッケリー農場での労働の後、まさに皆が集まって、飲んだり踊ったりしている時に演奏したであろう、プリ・ブルースと呼ばれるような黒人大衆音楽的な曲も聴く事ができます。
その影響力から、全てがここから始まったとも言われるチャーリー・パットン。
ほんとに不滅のチャーリー・パットンですね。
当時のミシシッピのデルタ一帯は、このようなブルースがあちこちで一般的に演奏されていたんでしょうね。
そんな思いも含めて、パチパチとしたノイズの向こうから、戦前の濃~いデルタのブルースが流れてくるのには、なかなか感慨深いものがありますし、感激さえしてしまいます。
このアルバムも「Number1」ということで、「2」もあるのでしょうが、残念ながらそれは知らないんです。
ていうか、CDでは「ザ・コンプリート・レコーディングス」とかもあるんですよね…
※いつものように、Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムでCDを紹介しようと思ったのですが見つけられませんでした。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.11.6)
◆iTunes StoreでCharley Pattonをチェックする。