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Ishman Bracey(1928-30)/イシュマン・ブレイシー〜力強いヴォーカルが味わい深いミシシッピのジャクスンを代表するブルース・マン

Ishman Bracey(1928-30)戦前ブルースのレコードについて、続けてつぶやいています。

ブルースを聴き始めた当時は、もちろん戦前ブルース・マンの予備知識はほとんどなく、当然その音も聴いた事がなかったのですが、ジャケットに記載されている古い年代を目にすると、どうしても手が出てしまったものでした。

是非、聴いてみたい、これを逃すとこのブルース・マンのアルバムには、もうお目にかかる事ができないかもしれない…、と。

そんな感じで手にしたのが、かろうじて名前だけ聞いた事のあったイシュマン・ブレイシーで、アルバムはこちら。

Ishman Bracey(1928-30)

まずはジャケットのチョビヒゲの顔が、なかなか強烈ですね(すいません)。

中古の輸入盤ですが、裏ジャケットにはポール・オリヴァーの文章が…。ただ、英語が良く分からない…(情けない…)。

イシュマン・ブレイシーはミシシッピでもデルタではなく、ジャクスンで活動したブルースマンですね。

ジャクスンのブルースではトミー・ジョンソンが有名ですが、彼と交流のあったこのイシュマン・ブレイシーもまたジャクスンのブルース・シーンを代表する存在のようです。

そのブルースはデルタ系程の重々しさはないですね。個人的には牧歌的な感じさえもします。
ちょっと潰れたような、細かいヴィブラートがかかったヴォーカルは、力強く味わい深いです。

A面では、勉強不足でよく知らないのですがチャーリー・マッコイという人のギターの伴奏がつく曲が特に聴きごたえがあります(イシュマン・ブレイシーはギタリストとしては、特に傑出していたわけではないようです)。
その他の弾き語りの曲も含めて、力強いヴォーカルが素晴らしく、良いですね。

B面はニューオーリンズ・ニハイ・ボーイズ名義で、クラリネットとピアノが加わった曲が多く収録されていて、モダンな感じが面白い作品ですが、ちょっと散漫な印象もしてしまいます。というか、ヴォーカルがあまり表に出てこないので残念。ただ、曲は楽しいですね。

ちなみに、その後、イシュマン・ブレイシーは歌は捨てて、説教師になっちゃったそうです。
1960年代に「再発見」されてもブルースは歌わず、1970年に他界しています。

ということで、数回にわたって続けていた戦前ブルースのつぶやきは、一旦ここで終わりにします。
またそのうちに。

◆iTunes StoreでIshman Braceyをチェックする。

※いつものようにAmazon.co.jpのアソシエイトプログラムでCDを紹介しようと思ったのですが、見つけられませんでした。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.9.2)


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