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THE STORY OF THE BLUES〜ブルースの起原から戦前・戦後とブルースの歴史をたどるアルバム

THE STORY OF THE BLUES前回の内容を受けて、戦前ブルースのレコードについて、何枚か続けてつぶやきたいと思っています。

その前回というのは、ポール・オリヴァーによるブルースの歴史書「ブルースの歴史」についての記事でした(記事はこちら:
「ブルースの歴史」(THE STORY OF THE BLUES)/ポール・オリヴァー(Paul Oliver)著〜ブルース研究の権威による密度の濃いブルースの歴史書)。

先にまずこの本を読んでいたのですが、この本にとても刺激を受けて、より一層ブルースを深く知りたくなっていたところで見つけたのが、今回登場するアルバムなんです。実にいいタイミングでした。

見つけたときはかなり興奮しましたね。そのドキドキ感は分かる方には分かってもらえると思うのですが、何と言ってもその本とタイアップしているアルバムですからね。

THE STORY OF THE BLUES
〜A documentary history of the blues on record compiled by Paul Oliver〜

THE STORY OF THE BLUES 2手にしたのは輸入盤の2枚組で、発売年度等はちょっと分からないのですが、当然、収録されているのはほとんど初めて聴く曲ばかりで、戦前ブルースを中心にディープな世界が展開されています。

各面はそれぞれテーマによって分けられています。

A面は「ブルースの起源
いきなり、ガーナのフラ・フラ族による歌から始まるA面には、大御所チャーリー・パットン、ブラインド・レモン・ジェファーソンらのカントリー・ブルースの名演が収録されています。

B面は「ブルースとエンターテイメント
テーマの通り、ベッシー・スミスやジャグ・バンド等のバンド演奏を聴く事ができます。

C面は「30年代、都市と田舎のブルース
当時のシティ・ブルースとデルタ・ブルースですね。
シティ・ブルースではリロイ・カー、デルタ・ブルースではロバート・ジョンソンやブッカ・ホワイトらが収録されてます。

D面は「第二次世界大戦と戦後
ビッグ・ビル・ブルーンジーらを聴く事ができますが、さすがに戦後となるとそうそうジャンル全体をカヴァーできないですよね。とりあえずエルモア・ジェイムスらが収録されています。

パチパチとしたノイズとややこもった音の向こうにブルースの歴史が流れていて、その時代の音に触れる事のできた感動は強かったですね。

各時代のブルース・マン(ウーマン)たちは、ヴォーカルにギターにと、普通の言い方ですが上手いんですよね。随分と昔の演奏なのに、その技術の高さにまず聴き入ってしまいます。

これは、本当に深くてとんでもない世界に足を踏み入れた感じです。
しかも、当時は取り憑かれてしまったんですよね、このブルースの世界に。

各ブルース・マンは一曲ずつの収録ですから、それぞれの特長が分かるとまではいきませんが、これをもとに自分なりに気になったブルース・マンを改めて追いかけたものです。

といっても、当時はそのようなアナログ・レコードは、そう簡単に見つけられるものでもなかったので、本物のブルースを聴くのにも、結構苦労したものです。

※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.8.16)
※ジャケット違いでこんなCDがありました。

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