相変わらず、押し殺したような、枯れた歌声が静かに響く、J.J.ケイルの4thアルバムです。
「トルバドール」(Troubadour)
1976年発表。
個人的には、前作「オーキー(Okie)」が、この人の魅力とは言え、あまりに地味で淡白すぎた印象だったのに対して、今作はアレンジを含めて、それぞれの曲が丁寧に作り込まれている感がありますね。
いつもの事ながらシンプルな曲調で、それが魅力なんですが、カントリーにブルースに、時にジャジーな雰囲気も漂い、珍しくバラエティに富んでいる感じでしょうか(この人にしては、ですけど)。
全12曲中11曲は本人による曲ですね。
派手さはなくても、味わいのある楽曲をいつも聴かせてくれていて、他のミュージシャンがカバーしたりするあたり、ソングライターとしての才能も見逃せないですよね。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。収録曲で気になるのは何と言っても、「Cocaine」(邦題:コカインの恐怖)でしょうね。
この曲を初めて聴いたのは、やはりクラプトンの方が先で、あとからこちらの原曲を聴きました。
クラプトンで馴染みの曲とは言え、無茶苦茶カッコいいですよ、本家は。
クラプトンのどちらかというとストレートな演奏も良いですが、あのギターのリフとカッティングに、J.J節が絡んでくると、やっぱりこちらの方がしっくりときて好きですね。
あと時々「Let Me Do It To You」のような、歯切れのいいギターのリフを用いたファンキーな曲もあるんですが、いかんせんこの渋く枯れたヴォーカルなので、やっぱりJ.J.ケイルですね(笑)
派手な活動も宣伝もない、商業的な事には興味が無さそう。ただただその姿勢は自身の音楽にのみに向けられているという、J.J.ケイル。
なんだかんだ言っても、私もその世界に取り憑かれてしまってるんですよね。
◆iTunes StoreでTroubadour – J.J.ケイルをチェックする。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.11.13)