ブルースの名ギタリストは多くいますが、職人、達人と呼ばれるのがこの人、アール・フッカー。
初めて聴いたのは、ジョン・リー・フッカーの「シングス」に、おまけみたいな形で追加収録されていた4曲でしたが、そのギターがかっこ良かったんですよね。
で、その後にやっと手にした単独のアルバムがこちらです。
「Two Bugs And A Roach」
1968年録音のアーフーリー盤です。
ジャケットのようにダブルネックを愛用しているのはブルース・ギターとしては珍しいですね。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。50年代末からシカゴで活動を始めセッションも多くこなしているようで、そのギター・テクニックはかなりの影響力があったようです。
通常の指弾きもさることながら、単弦弾きのニュアンスに富んだスライド・ギターも有名ですね。
スロー・ブルースでヴォーカルもとっているA面1曲目の「Anna Lee」や、楽しげな雰囲気の中ご機嫌に弾きまくっているB面1曲目の「Two Bugs And A Roach」(ちなみにリフは バディの「Mary Had A Little Lamb」と同じですね)等々、既に成熟した感のある達人余裕の演奏ですね。
本人はあまり歌わないようで、元々インストも多いようですが、このアルバムでは2曲でヴォーカルをとっているのと、ゲスト・ヴォーカルでキャリー・ベルとアンドリュー“B.B.Jr.”オーダムが参加してます。
って、すいません、この2人は全然知らないのですが、アンドリュー“B.B.Jr.”オーダムの「You Don’t Love Me」は、なかなか迫力のあるヴォーカルが楽しめます。
で、アール・フッカーのクリアなトーンで弾きまくるそのギターは、なるほど職人。
ワウワウなんかも効果的に使用していますし、ギターの音色を細かく調整しながら変化をつけているのも実に巧みですね。
同じようなスライドのスタイルとして、ロバート・ナイトホークの名前がよく出てくるので、是非、そちらも聴いてみたいと思ったものでした。
そう言えば確か、前述のジョン・リー・フッカーはアール・フッカーの従兄でしたね。
アール・フッカーは、1970年に41歳で他界してます。
※Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムでCDを紹介していますが、内容を見ると、今回のアルバム「Two Bugs And A Roach」に色々と追加されてますね。例えば、このブログでも紹介しているアルバム「His First and Last Recordings」とのカップリングになっているような感じ(つまりこのCD1枚で済んでしまうのか…)。
◆iTunes StoreでTwo Bugs and a Roach – Earl Hookerをチェックする。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.11.15)