以前登場したオムニバス・アルバムの「THE STORY OF THE BLUES」や「The Country Blues」でも取り上げられていたジャグ・バンド。
あまり詳しくは分からないのですが、デルタ・ブルース等の私的でディープな世界と違い、エンターテイメント性が高く大道芸やダンス音楽としてのジャグ・バンドは、戦前のひとつのスタイルとして興味深いですよね。
戦前ブルースを追いかけていた頃、レコード店でこのオムニバス盤を見つけて飛びつきました。
「More Of That Jug Band Sound 1927-1939」
「ジャグ」はウイスキーなどを貯蔵するための瓶というか水差しというかで、それに息を吹き込み「ブゥ、ブゥ」という低音をならして楽器として使うもので、20世紀初頭のその奏者を加えたバンド形式をジャグ・バンドと言います。
ただ、必ずしもジャグ奏者がいなくても、音楽的なスタイルでジャグ・バンドと言われるようで、確かにこのアルバムの中にもジャグ無しの曲がありますね。
残念ながら、個々のバンドのことは詳しくは分からないのですが、「Memphis Jug Band」「Jed Davenport And His Beale St. Jug Band」「Jack Kelly」「Cannon’s Jug Stompers」等のバンドの曲が収録されています。
ブルース色の強い曲から賑やかなサウンドまで、歌入りでギター伴奏はもちろん、バンジョー、ハープ、ヴァイオリン、ウォッシュボード、カズー等々、楽器もとにかく様々ですね。
ただ、やっぱり器用に奏でられるジャグの「ブゥ、ブゥ」という低音が入ってくると、独特の楽しいサウンドになります。
Moreというくらいですから、このアルバムは続編で、その前があるのですがそちらは持っていません(というか目にしたこともないですが…)。
ジャグ・バンドはなかなか楽しく、当時のブルースとは違った大衆的な賑わいを感じられていいですね。
ただ、これはこれで、ひとつのジャンルとしては奥がとても深くて、なかなか追いかけきれなかったのが、正直なところです。
※いつものように、Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムでCDを紹介しようと思ったのですが見つけられませんでした。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.10.)