先日、韓国で開催されているサッカーU-20W杯2017のベスト16となる決勝トーナメント1回戦で、日本代表はベネズエラ代表に延長戦の末、0—1で敗戦して大会を終えました。
実は、ほとんど注目されてないですが、ほぼ期間を同じくして「第45回トゥーロン国際大会 2017」がフランスで開催されているんですよね(期間は2017年5月29日(月)~6月10日(土)まで)。
トゥーロン国際大会は、基本U-23世代対象のサッカー国際大会ですが、各国の育成によって出場するカテゴリーは異なり、今回日本は U-19日本代表が出場してたんです。
つまり、トゥーロン国際大会に召集されたU-19日本代表は、U-20W杯のメンバーと年代的には1つ下とはいえ、同じ2020年の東京五輪世代となり、U-20には残念ながら選ばれなかったものの、有力な選手たちが貴重な経験を積むための国際大会ともいえます
今回の参加国は12カ国で、 4ヶ国が3組に別れてグループステージを戦い、各組1位と各組2位の成績上位1チームの4チームが決勝トーナメントに進みます。また、試合は大会のローカルルールで、40分ハーフで交代は5人まで(ゴールキーパーの交代も含む)です。
U-19日本代表は、キューバ代表(5月29日)、アンゴラ代表(6月1日)、イングランド代表(6月4日)と既にグループステージの試合を終えているのですが、実はその試合はNHK BS1にて生中継されていたので、テレビ観戦してました。
ということで、その3試合について、ざっくりとテレビ観戦記です。
初戦のキューバ代表戦
ほとんど情報がないまま初戦のキューバ戦(5月29日)を観戦したのですが、キューバってサッカーではほとんど目にしませんよね。実際、試合が始まると、どうやらチーム力的には日本が明らかに上のようで、圧倒的に日本が攻めながら試合が進みました。
しかし、なんと歯がゆいことか、日本はチャンスはいくつも作るもなかなかゴールが遠い。
前半はスコアレスで折り返し、テクニックや組織力はなくてもキューバのスピードとフィジカルを見ていたら、このままではそのうちワンチャンスでやられてしまうのではと危惧していたんです。
日本は55分にボランチ伊藤のミドルシュートでようやく先制点をあげて、追加点が欲しいと見ていた終盤の72分、カウンター一発で失点…
全くもって心配していた通りになってしまい、結局、試合は1—1の引き分けで終了。かなり、がっかりな試合でした。
う〜ん、相手GKが当たっているという解説もありましたが、それば単に日本選手がゴール前で落ち着きがなく、シュートコースが甘いというだけであって、ゴール前の技術不足に見えました。
それに、綺麗にボールは回してましたが、本来であれば、同時に韓国で開催されているU-20に出場していてもいい年代なので、もっとガツガツと勝負に徹してもらいたかったです。これだと、やっぱりU-20のメンバーには選ばれなかった、と言われてもしょうがない内容です。
テレビを見ていて、実況が一生懸命にこの試合の収穫を説明していましたが、この試合に関しては、よく言われるように、決めるときに決めないとやられる。この内容のままだと五輪代表には選ばれない、ということを体感できたのが収穫だったのではないでしょうか。
今回は、ものすごく歯がゆいかったので、ちょっと辛口観戦記になってしまいました。
2試合目のアンゴラ代表戦
6月1日に行われた2試合目の対戦相手はアンゴラ代表。こちらもほとんど情報がなかったのですが、警戒するのはやはりアフリカ特有のスピードなどの身体能力の高さでしょうね。
試合は序盤からかなりバタバタした展開ですが、アンゴラの選手のスピードにはやっぱり注意ですね。それに、思いがけないところから足が出てきますね。
前半にはCKからヘディング合わせたシュートがポストに当たるなど、決定的なシーンがいくつかありましたが、またしでも決め切れませんね。初戦と同じパターンにならなければいいのですが。
普段(日本で)なら、このぐらいのパススピードであれば、このくらいの距離があれば、このくらいの…、というのが通じない。こういう経験が大事なんでしょうね。
後半12分に佐々木が倒されてPK獲得。これを自ら落ち着いて決めて、日本ようやく先制です。
その後もチャンスは多く作るものの、それを生かすことができず、ミスからピンチも迎えることがあるものの、これはそのまま逃げ切れるだろうと思ったアディショナルタイム、最後の最後のCKを頭で合わせられて、なんと同点…
試合はこのまま1—1の引き分けで終了。
準決勝進出に進むために勝ち点3が欲しい試合で、なんとも勿体無い試合でした。
ミスも多くて、イエローも多くてちょっと大味な試合で、日本の得点はPKのみ。追加点を奪えず終盤を迎えて、逃げ切るなら逃げ切るで、しっかり集中して守備を固めるということもできず、チームとしての練習時間が短かったということもあるようですが、初戦と同じような引き分けでした。
後がないグループ最終戦のイングランド代表戦
グループステージ最終戦(6月4日)は、イングランド代表との試合ですが、イングランドはすでにアンゴラとキューバに勝利して、準決勝進出を決めているのに対して、日本は勝たないと次はないという、もう後がない状況です。
4-4-2からこの試合は3バックにしたようですね。
前半から日本がゲームを支配して、何度もシュートチャンスがありながら、またしもで外し続けてしまい、もちろんイングランドの守備も堅いのですが、もう見飽きたシュートミスや相手ゴール前でもたつくシーンが、まるで初戦からの録画のように繰り返されます。
といっていたら前半26分、自陣ゴール前の横パスミスをカットされて、その流れからPKを与えてしまい、これを決められ先制されますが、これがイングランドのファーストシュートでした。う〜ん、目も当てられません…
後半14分に安藤のシュートでようやく追いつくも、その後の後半30分、ドリブルでペナルティエリアに侵入してきた相手をスライディングで倒してまたもPKを与えてしまい、これを決められ、またリードを許します。
結局、試合は1—2で終了。負けた日本は準決勝進出はなりませんでした。
ちなみにイングランドはシュート3本で2点(いずれもPK)。対して日本は18本で1点…
結構できたとか、惜しかったという試合ではなく、イングランドは、メンバーのことまではよく分からないのですが、決勝トーナメント進出を決めているので無理をする必要もないですし、おそらくペースを落としているはずなので、しっかり守って、少ないチャンスをものにするという狙い通りだったでしょうね。
おわりに
結局、日本は3戦して1勝もできずにグループリーグ敗退(2分1敗)という結果で、U-19日本代表のトゥーロン国際大会2017は終わりました。
個人的には、佐々木選手がよく走って技術もしっかりしていて、チャンスも多く作り良かったですね(ちょっとすぐ倒れるのが気になりましたが)。また、大型ボランチの伊藤選手も印象に残りました。
それにしても、誰もがもう聞き飽きた、決定力不足とか、最後の精度という文言ですが、それらをやっぱり使ってしまう3試合の内容でした。
ずっと言い続けられているそれらの課題は、きっと日本全体の課題だからこそ、この若い年代にも顕著に現れたということなのでしょうね。
なんとかこの課題を克服してもらいたいですが、そもそも今回の試合内容を見ていて、今のままでは、今回の選手たちが東京五輪代表に選ばれる確率は低いかもしれませんので、この経験を次につなげて、再び代表に選ばれるように頑張ってもらいたいですね。
※参考:第45回トゥーロン国際大会2017 | JFA|公益財団法人日本サッカー協会
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