良く言われますが、このマーシャル・タッカー・バンドはサザン・ロックとして語られるものの、そのサウンドはワイルドさとか激しさ、泥臭さとは、ちょっと遠い感じですよね。
ただ、雄大さやスケールの大きさは、これでやはり、紛れもないサザン・ロックなのでしょうね。
「Where We All Belong」(邦題:「アメリカン・ロックの鼓動」)
1974年発表の2枚組の3rdアルバムで、1枚目がスタジオ・レコーディングで、2枚目がライブですね。
バンドとしては、3枚目にしてもちろんライブ盤は初ですが、それにしてもサザン・ロックのバンドは2枚組が好きですよね(笑)
もちろん、サザン・ロックで重要な役割を果たした、キャプリコーンからです。
ゲスト・ミュージシャンには前作「ニュー・ライフ」にも参加していたチャーリー・ダニエルズがフィドルで、それに私の大好きなエルヴィン・ビショップの名前もあります。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。アルバム通して、ほぼ全面にホーンとフィドルがフューチャーされていて、それに、このバンドの特徴であるジェリー・ユーバンクスによるフルートが加わると、更にサウンドに厚みと、独特のエッセンスが加わる感じですね。
のんびり、ほのぼのといった雰囲気も時には感じさせる、田舎臭いとも雄大とも言える、何とも特徴的なサウンドです。
アルバムの内容としては、スタジオ録音サイドは、「This O’l Cowboy」の軽やかで、フュージョンの香りもする爽やかな曲で始まります。
A面3曲目の「In My Own Way」はウェスト・コーストを思わせるくらいの綺麗なコーラスが印象的な良い曲ですね。
B面2曲目「Where A Country Boy Belongs」でエルヴィン・ビショップのスライドが聴けますが、控えめでした(笑)
スタジオ録音サイド最後の「Try One More Time」は、ミディアム・スローの4分の3拍子の郷愁を誘う曲で、こういう地味な曲は結構好きなんですよね。
2枚目のライブ・サイドは強力で、南部のバンドの本領発揮です。
ただし、収録はAB面各2曲で計4曲のみ。さすが南部のバンドのライブですね(笑)
A面1曲目の「Ramblin’」(1st収録)は、いきなりハイテンポでトイ・コールドウェルがギターを弾きまくってます。
2曲目の「24 Hours At A Time」(2nd「A New Life」収録)は、チャーリー・ダニエルズを迎えての14分近くに及ぶ熱演で、壮快でスケールが大きく、いかにもという演奏で聴きものですね。
アルバム最後は、デビュー・アルバムのトップを飾っていた「Take The Highway」。
この曲は、ライブでパワーアップした感もありやはり素晴らしいです。
やはり、バンドの要と言える、トイ・コールドウェルのギターが印象的でサウンドを支えてますよね。
親指で弾いているそうですが、相当テクニカルで、カッコいいです。
カラッとした爽やかな空気感に、軽やかで壮快で雄大なスケール感。加えて、やっぱり、南部のバンドのライブの迫力は素晴らしいですね。
◆iTunes StoreでWhere We All Belong – The Marshall Tucker Bandをチェックする。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2016.1.6)