さて、サザン・ロックの代表格、オールマン・ブラザーズ・バンドです。
このブログで2枚目となるのが、こちらの名盤です。
「ブラザーズ&シスターズ」
(Brothers And Sisters)
1973年発表ですが、このアルバムは時期が重要ですね。
1972年の「イート・ア・ピーチ(Eat A Peach)」の後に出されたアルバムですが、ちょっとその頃の状況をまとめておくと。
- 1971年10月29日、デュアン・オールマンがオートバイ事故で24歳の若さで他界。
- デュアンの死後、1972年にキーボードのチャック・リーヴェルが加入したものの、1972年11月11日には、ベリー・オークリーまでもオートバイ事故により亡くなってしまうという悲劇。
- ベースのベリー・オークリーの後任には、ラマー・ウィリアムズが加入。
- そして発表されたのが、アルバム「ブラザーズ&シスターズ」。
前作「イート・ア・ピーチ(Eat A Peach)」は、レコーディング途中にデュアンが他界しているので、デュアンが参加している曲と不在のものとがありましたが、ベリー・オークリーの事故もこのアルバムの収録中に起こり、アルバムのクレジットには、2曲のみにベリー・オークリーの名前があります。
このような辛い状況を経ても、見事に作り上げたのが、この素晴らしいアルバムなんですよね。
サウンド的には、デュアンの頃のブルース・フィーリング溢れる、泥臭いスワンプ系の音とは変わっていて、カントリーとポップ色が強い、どちらかというと軽快なサザン・ロックですね。
基本的にはディッキー・ベッツ色が強いのでしょうね。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。対して、グレッグ・オールマンはヴォーカルで相変わらず渋い歌声を聴かせてくれてますが、全体的にはちょっと影響力は小さくなっているでしょうか。
デュアンの死後、ギタリストではなくキーボードのチャック・リーヴェルが加入した経緯はよく知らないですが、この人のピアノがかなりサウンドに効いています。
収録曲は名曲ばかりです。
ヒットしたA面2曲目の「ランブリン・マン」(Ramblin’ Man)はカントリー色が強い曲で、ディッキー・ベッツとゲスト参加しているレス・デューディックのギターがいいですね。
レス・デューディックのギターは本当にカッコいいので、もっと注目されても良いですよね。
B面1曲目の「サウスバウンド」(Southbound)はノリの良い曲で、チャック・リーヴェルの軽快なピアノとディッキー・ベッツのギターが印象的です。
B面2曲目の「ジェシカ」(Jessica)も、突き抜けたギターと転がるピアノが何とも心地よいインストで壮快ですね。大好きです。
曲の終盤で3連にリズムがおちて、またリズム・インしてくる辺りは本当にたまりません。
ディッキー・ベッツがドブロを弾く、カントリー・ブルース的な曲「ポニー・ボーイ」(Pony Boy)でアルバムは締めくくられています(グレックは参加してないですね)。
確かに、デュアンの頃のようなブルース色は薄くなっていますが、このアルバムをそれと比較する事なく、以前の思い入れを外して聴けば、無茶苦茶ご機嫌なアルバムで、名盤ではないでしょうか(って、今さら私に言われなくても名盤ですね)。
参考:ブラザーズ&シスターズ (アルバム) – Wikipedia
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※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.10.1)