2017年4月1日に83歳で亡くなった、ブルース・ギタリストのロニー・ブルックス。
古くから活躍する、ギターが熱いモダン・ブルース・マンですが、日本ではそれほど知名度は高くなく、私もあまり聴いてはいないのですが、アナログレコードを1枚持っていたので、引っ張り出して久しぶりに聴きました。
ということで、久しぶりの「アナログレコード回顧録」で、そのアルバムがこちらです。
「Turn On the Night」
1981年にアリゲーター・レコードから出されたもので、中古の輸入盤を手にしました。
アルバムの名義は、The Lonnie Brooks Band ですね。
私もロニー・ブルックスについては、詳しくはないので、あちこちちょっと調べて参考にさせてもらうと、1933年12月18日ルイジアナ生まれで(本名:リー・ベイカー・Jr./Lee Baker, Jr.)、50年代にはギター・ジュニアの名でルイジアナ周辺で活躍していたようで、ゴールドバンドというレーベルでレコードデビューをして、ヒットも飛ばしていたようです。
そのすぐ後にシカゴに移って活動を始めるんですが、その経歴ゆえか、ロニー・ブルックスのブルースは、いわゆるシカゴ・ブルースには縛られない演奏スタイルだったようです。南部のルイジアナの雰囲気を漂わせ、ファンキーだったりスワンプ調だったり、時にはザディコのような音楽も取り入れたりしたとか。
で、アルバム「Turn On the Night」ですが、1曲目の「Eyeballin’」から、ホーンが入ったファンキーなブルースで、伝統的なモダン・ブルースとはちょっと違いますね。ホーンは以降、曲によって入ったり入らなかったりです。
2曲目「Inflation」は。典型的なミディアムブルース。
3曲目「Teenage Boogie Man」は、ブルースというよりはロックナンバーといったノリで、この辺りもこの人の定型にとらわれないスタイルなんでしょうね。
4曲目の「Heavy Traffic」は、再びホーンが入り、そのまんまアルバートキングを思わせるボーカルとギターが印象的です。
5曲目のスローナンバーの「I’ll Take Care Of You」で、A面は終了。
B面1曲目「T.V. Mama」は、ダッタダッタのシャッフルにブルームスタイルのリフを入れて、ギターを気持ちよく弾いてますね。
2曲目「Mother Nature」は、ミディアム・ブルースで、3曲目「Don’t Go To Sleep On Me」は、ホーンが入ったパンチの効いたナンバー。
4曲目の「Something You Got」は、ウィルソン・ピケットらで知られるR&B曲のカバーです。ちなみに、この曲と「I’ll Take Care Of You」、「T.V. Mama」の3曲がカバーで、あとは自作曲です。
で、アルバム最後の曲「Zydeco」は、タイトルそのままのザディコナンバーで、なるほど、最後まで伝統的なスタイルには縛られてないですね。
ザディコといえばアコーディオンですが、もちろんギターに置き換え、ボーカルも楽しげです。
アルバムを通して聴くと、高めで時にシャウトするボーカルは、あまりクセがなく、う〜ん。特徴があまりないとも言えるのかな。
で、やっぱり、ボーカルよりギターが印象的で、かなり気持ちよさそうに弾いてますね。
音としてはモダンなんですが、ただ、そのブルースには色んなエッセンスが加えられ、バラエティに富んだ曲の数々は、アルバム通して楽しめる内容でした。
※参考
・Lonnie Brooks – Wikipedia
・書籍:ブルース決定盤 (オン・ブックス)
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