後のラスト・ワルツは、ライブとは言えちょっと違った面を持ったアルバムなので、当時のザ・バンドのステージでの様子を伺うことのできるライブ・アルバムといったら、このアルバムでしたよね(ディランとの「偉大なる復活」(1974年)もありますが)。
「ロック・オブ・エイジズ」(Rock Of Ages)
1972年発表の2枚組ライブ・アルバム。国内盤の中古を手にしました。
1971年の年末に、ニューヨークのアカデミー・オブ・ミュージックで行われたコンサートをもとにしたものですね。特に大晦日の最終日の演奏が多いようです。
このライブ・アルバムの最大の特徴とも言えるのは、前作にあたるスタジオ盤「カフーツ」で試みた、アラン・トゥーサンのアレンジによるホーン・セクションを、ライブでも取り入れていることでしょうね。
賑やかなだけではなく、重厚さや力強さをもたらしていて素晴らしいです。
それにしても、良いのか悪いのか、拍手や歓声がないと、本当にライブなの?というくらい、演奏が完璧ですね。
といって迫力がない訳ではなく、ラフっぽかったり、荒々しかったりといった意味でのライブっぽさがあまりないということで、演奏自体は素晴らしい出来で、かえってホーンも相まって大迫力かつ濃密と言っていいと思います。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。曲は今さらここで…、という気もしますが、個人的に気になった所をあげていきますね。
まず、1枚目のA面1曲目の「ドント・ドゥ・イット」はマーヴィン・ゲイのヒット曲ですかね。このアルバムで初のレコード化ですね。
ザ・バンドのアメリカ南部やルーツ・ミュージックを感じさせる曲に対しては、ホーンが本当に効果的ですよね。中でも「W.S.ウォルコット・メディシン・ショー」「オールド・ディキシー・ダウン」「ロッキー越えて」「ラグ・ママ・ラグ」…って、結局どの曲もって感じできりがないです(笑)
やっぱりカフーツ収録の「カーニバル」はホーンが冴え渡ってますけどね。
ロビー・ロバートソンも生き生きとしたギターを随所で弾いていますが、「アンフェイスフル・サーヴァント」のピキピキ・ギターはたまらんです。
ガース・ハドソンのオルガンによって繰り広げられる「ザ・ジェネティック・メソッド」は途中、新年を迎えるのに合わせて「蛍の光」がフューチャーされてるのかな? そして「チェスト・フィーバー」へと続くあたりもなかなか迫力があって聴きごたえがあります。
アルバム最後の「ハング・アップ・マイ・ロックン・ロール・シューズ」もレパートリーだった曲を初のレコード化したものですね。これは、ホーンも華やかにいわゆるライブっぽく(笑)、楽しい演奏でアルバムを締めくくっています。
まあ、私が力説するまでもない、歴史的にも素晴らしいライブ・アルバムですね。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。上記のCDは丸々1枚がボーナストラックなの? LPには収められなかった、ボブ・ディランが共演した曲も収められてるんですね~
◆iTunes StoreでRock of Ages (Live) [Expanded Edition] – ザ・バンドをチェックする。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.12.11)