トム・ペティは、聴きだした頃は勢いのある、シャープでストレートなアメリカのロッカー、ってイメージでしたが、今やすっかりアメリカを代表する大御所ミュージシャンですね。
今回のアルバムは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのこちらのアルバムです。
「Hard Promises」
1981年発表の4作目で、中古の輸入盤を手にしました。
前作「破壊(Damn The Torpedoes)」の大ヒットでその人気を確かなものにし、それを受けての本作ですね。
アルバムを通して聴くと、まず感じるのが、どちらかというと、それまでのノリのよい疾走感のあるサウンドというよりは、繊細で落ち着いた感じの(悪く言えば暗い)音作りに聴こえます。
曲によっては、そこから味わい深さも伝わってきます。
ただ、バンドが生み出す、ロックン・ロールやフォーク・ロックをベースにした、シンプルでストレートなアメリカン・ロックというサウンドは変わりなく、力強く、且つ、しなやかなサウンドも相変わらずです。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。収録曲では、アルバム1曲目の「The Waiting」がまずはいい曲で、ギターのリフを含めて、じわじわ効いてくる感じで、ライブでも演奏される本作の代表曲ですね。
ノリのよいロックンロール・ナンバーでは、A面5曲目の「Kings Road」やB面2曲目の「A Thing About You」といったところでしょうか。
B面1曲目の「Letting You Go」なんかの、ちょっと切なさも感じさせる、素朴な曲調は個人的に好きですね。
アルバムの中で特に印象的なのが、B面3曲目のスティーヴィー・ニックスとのデュエット曲「Insider」。
スティーヴィー・ニックスは言わずと知れた、フリートウッド・マックのメンバーですが(ソロ活動を開始した頃ですね)、そもそも2人の声質がかなり特徴的なので、このミディアム・ナンバーもかなり印象的です。
アルバムは、これまたなかなか染みてくるナンバー「You Can Still Change Your Mind」で締めくくってます。
で、毎回言ってますが、トム・ペティの鼻にかかった粘っこく、時にダミ声のヴォーカルには好き嫌いがあるようですが、ハートブレイカーズと共に生み出す、そのアメリカン・ロックは、結構懐が深く、かなり気に入ってます。
そういえば、このアルバムは、気がついたら2枚持っていて、1枚を友人にゆずったという思い出のあるアルバムでもあります。
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※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2016.3.7)