ライブとなると、元々ダーティで荒々しい演奏が、より一層激しさを増しますね。
エルモア・ジェイムス直系(いや、もっと激しいですね)、ハウンド・ドッグ・テイラー&ザ・ハウスロッカーズのライブ盤です。
「Beware of the Dog」
(ビウェアー・オブ・ザ・ドッグ)
1976年のリリースでしょうか。もちろん、アリゲーターからで、録音は1974年のライブからのようです。
中古の輸入盤(イギリス盤)を手にしました。
アリゲーター・レーベルは、創設者のブルース・イグロアという人がハウンド・ドッグ・テイラーのレコードをリリースするために立ち上げたレーベルということですから凄いですよね。
アルバムは、1曲目の「Give Me Back My Wig」からご機嫌にブギーしまくって、スライドも炸裂しています。
ハウンド・ドッグ・テイラーの有無を言わさぬ、強引とも言えるスライドは、実際、時に不協和音にもなってるんですが、そういう聴き方を超越してしまう迫力ですよね。
それに、陽気で、聴いていて楽しいです。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。バンドは、2人のギターにドラムスという変則トリオ編成で、基本的にはセカンド・ギターのブリュワー・フィリップスがベース・ラインも弾いてます。
ただ、A面3曲目のインストナンバー「Kitchen Sink Boogie」では、そのブリュワー・フィリップスがリード・ギターを担当しているのですが、なかなか切れ味鋭いソロを聴かせてくれています。
かなりカッコよくて、この人がリードでも問題ないくらいですね。
それに、そのサイド・ギターはファンキーで、かなりの割合でサウンドを特徴づけてますね。
ベースがなくて、最初は何だか違和感を覚えつつ聴いていたのが、途中から、ベースがいないのが全然気にならなくなるんですよね。
このトリオならではの魅力ですね。
その他、A面4曲目では、やってますよ「Dust My Broom」。
本家、エルモア・ジェイムスより強烈です。
B面に入っても怒濤のブギーを聴かせてくれますが、B.B.キングで有名な「Rock Me」や、最後の曲「Freddies Blues」ではミディアム・スローの曲も生々しく演奏してます。
とにかく細かいことは気にせず、豪快に弾き放つそのスライドには圧倒されます。これはロックですね。
ただ、きちんとした演奏でないとダメな方は聴かない方が良いかも(笑)
ハウンド・ドッグ・テイラーは1975年にシカゴで亡くなっており(満60歳)、このアルバムは死後のリリースとなってしまったようです。
◆iTunes StoreでBeware of the Dog! (Live) – Hound Dog Taylor & The HouseRockersをチェックする。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2016.3.29)