今さらですが、東アジアカップ2015でのサッカー日本代表の試合を振り返ってみました【男子】

※写真はJFA|公益財団法人日本サッカー協会のスクリーンショットより。

2015年8月1日から8月9日にかけて、中国・武漢市で開催された東アジアカップ2015

東アジアサッカー連盟(EAFF)所属のナショナルチームが出場するこの大会ですが、実は予選ラウンドも行われていたものの、結局、決勝ラウンドとなる今大会に出場したのは、男女とも、中国、韓国、北朝鮮、そして日本の4チームでした。

国際大会とはいえ、日本代表は男女ともメンバーが国内組で構成され、どうしても国内組の若手や新戦力発掘の意味合いが強くなる大会となったので、大会前から注目度が今ひとつだったのは、やむを得ないですよね。

けど、それはそれで大事な大会で、そういった代表経験の少ない選手たちにとって、アジアの強豪と真剣勝負で対戦するのは貴重な経験になるはずですし、是非、ここから代表定着へとステップアップする選手に現れてもらいたい大会ですよね。

さらに、あくまで日本代表のユニフォームを着て戦う以上、結果も求められるのは当然だったのですが…

結果はご存知の通り、日本代表は男女とも散々な結果に終わってしまいました。連覇が懸かったはずの男子は1勝もできずに最下位、女子はかろうじて1勝して3位ということで、大会前からある程度苦戦は予想されたのですが…

個人的には、男女とも全試合テレビ観戦したものの、あまりのふがいなさにブログに書くこともためらったのですが、ここから日本代表がどう立て直すかという期待も込めて、各試合を振り返りつつ、書き留めておこうと思います。

まず、今回は男子の試合です。
ハリルホジッチ監督になって、初めてのタイトルのかかる国際大会でした。

東アジアカップ2015でのサッカー日本代表メンバー

今大会のメンバーは、海外組は選ばれておらず、国内組もベテラン勢の名前はなく、かなりフレッシュなメンバーとなってます(って、正直、どんなプレーをするのか知らない選手もいて、もうちょっとJリーグもチェックしないとと、やや反省)。

GK
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
六反勇治(ベガルタ仙台)
DF
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
丹羽大輝(ガンバ大阪)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
太田宏介(FC東京)
米倉恒貴(ガンバ大阪)
藤春廣輝(ガンバ大阪)
遠藤航(湘南ベルマーレ)
MF
武藤雄樹(浦和レッズ)
山口蛍(セレッソ大阪)
米本拓司(FC東京)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)
藤田直之(サガン鳥栖)
FW
興梠慎三(浦和レッズ)
倉田秋(ガンバ大阪)
永井謙佑(名古屋グランパス)
川又堅碁(名古屋グランパス)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

怪我の柏木と体調不良の権田が離脱して、代わりに招集されたのが藤田と六反ですね。
宇佐美、柴崎、山口といった、代表経験があり、若く今後が期待されるメンバーに加え、Jリーグで活躍して注目の武藤や、五輪を目指すU-22日本代表キャプテンの遠藤といった選手も選ばれました。

東アジアカップ2015初戦〜日本 vs 北朝鮮

8月2日の北朝鮮との試合の先発メンバーはこちら。
GK 西川周作
DF 遠藤航/DF 森重真人/DF 槙野智章/DF 藤春廣輝
MF 山口蛍/MF 武藤雄樹/MF 谷口彰悟
FW 永井謙佑/FW 川又堅碁/FW 宇佐美貴史

・途中交代
宇佐美→柴崎岳(55分)、川又→興梠慎三(72分)、永井→浅野拓磨(84分)

・試合結果
日本1—2北朝鮮…日本の得点は3分武藤

・感想
試合は幸先よく、前半3分に遠藤のクロスに武藤が合わせて先制点を奪ったんですよね。初代表コンビのいきなりの活躍で、期待をもったのですが、そこからがサッパリでした。

攻撃に関しては、ワントップの入った川又のところで、なかなかボールが収まらないんですよね。
また、永井のスピードは本当に魅力なんですが、いかんせん、シュートなどのツメのプレーの精度が低い。特にゴール前でのアイデアがなく、プレーの躊躇が判断の遅れにつながって、ボールを失うことも度々で、それは守備にも悪影響を及ぼしますよね。

今回はSBだった遠藤は、守備的なポジションを色々できるというのもありますし、得点した武藤とともに今後に期待してます。

後半途中に入った柴崎は、このメンバーの中では、すでに貫禄さえ感じられますが、コンビネーションという点では、時間もなくやむを得ないとこはあるでしょうか、マイボールでゲームを支配したり、落ち着かせたりということはできなかったですね。

試合は1点リードで迎えた後半78分、88分と続けて失点しまうんですよね。

終盤、北朝鮮はロングボールをどんどん入れてきたのですが、1点目はハイボールを頭で落とされたところを決められ、2点目はクロスを頭で決められました。ハイボール一発でやられるのは、何とも残念。

後半は日本選手の足が完全に止まりましたね。ボールに対しての集中(執念)も圧倒的に北朝鮮が上回ってました。

追加点が奪えず、相変わらずの決定力不足(シュート不足)を露呈してますが、それより何より、ここにきて、日本選手のひ弱さが目立ってくるのは、ちょっと残念で、先行きが不安になる試合でした。

“代表生き残りをかけた”とよく言われてますが、残るんではなくて、海外組をも飛び越えて、代表の座を勝ち取ってもらいたいのですが、その気持ちがちっとも見えないのが、試合を見ていて残念です。

参考:日本、北朝鮮にまさかの逆転負け…武藤初得点もハリルジャパン5戦目で初黒星 | サッカーキング

東アジアカップ2015 2試合目〜日本 vs 韓国

8月5日の韓国との試合の先発メンバーはこちら。
GK 西川周作
DF 遠藤航/DF 森重真人/DF 槙野智章/DF 太田宏介
MF 山口蛍/MF 藤田直之/MF 柴崎岳
FW 永井謙佑/FW 興梠慎三/FW 倉田秋

・途中交代
永井→浅野拓磨(70分)、興梠→宇佐美貴史(78分)、倉田→川又堅碁(88分)

・試合結果
日本1—1韓国…日本の得点は39分山口

・感想
前半は、日本がボールをつなぐことができず、ほぼ韓国がボールを支配する試合展開で、そんな中、前半26分に森重のハンドでとられたPKを決められ、先制を許します。

結局、日本選手の動きが少なく、パスの精度が低くてミスも多いので、プレスの早い韓国にボールを奪われている感じですね。

ちょっと嫌な雰囲気でしたが、前半39分、山口が豪快にミドルシュートを決めて、日本は前半のうちに追いつくことができました。

しかし、結局、流れを取り戻すことはできず、後半も特に見るべきところもなく、試合はそのまま1—1の引き分けで終了。

アジアの中でもライバル韓国との試合は特別な、そしていつも厳しいものになりますが、この試合に関しては、どちらもチーム作りの途上のためか、一進一退といえば聞こえはいいですが、正直、やや退屈な試合になってしまいました。

それにしても、選手は一生懸命やってはいるのでしょうが、この試合でも、選手たちから何だか闘志を感じることができず、気持ちがこもってないように見えるのが、一番がっかするところです。

中でも残念なのが、永井のあまりに消極的なプレーで、技術的なことはおいといても、せっかくスピードがあるのに、何故そこでスピードダウン、なぜそこでパスというプレーが多かったですね。

この段階で、日本には優勝の可能性ななくなったのですが、何とか勝利をあげてもらいたい最終戦となる中国との試合では、これまでの2試合を受けての先発メンバーも気になるところでした。

参考:ハリルJ、山口の代表初ゴールで韓国と1-1ドローも連覇ならず – サッカー – SANSPO.COM(サンスポ)

東アジアカップ2015 最終戦〜日本 vs 中国

8月9日の中国との試合の先発メンバーはこちら。
GK 東口順昭
DF 丹羽大輝/DF 森重真人/DF 槙野智章/DF 米倉恒貴
MF 山口蛍/MF 武藤雄樹/MF 遠藤航
FW 永井謙佑/FW 川又堅碁/FW 宇佐美貴史

・途中交代
川又→興梠慎三(61分)、武藤→柴崎岳(74分)、永井→浅野拓磨(84分)

・試合結果
日本1—1中国…日本の得点は41分武藤

・感想
試合は前半10分に、ペナルティエリア右からつながれたボールに寄せきれずに、ダイレクトに決められて中国が先制。

対して、日本代表は前半41分、槙野からの長いスルーパスを受けた米倉は、ダイレクトにグラウンダーのクロスを出すと、これに武藤が飛び込んで押し込みゴール!これは綺麗なゴールでした。

韓国もそうでしたが、中国もかつてのような、フィジカルまかせのプレー中心ではなく、フィジカルを生かしながらも、組織だったサッカーを目指しているようで、先制点をあげてからは、カウンター狙いできちんと意思統一されてましたね。

カウンターのスイッチが入った時の全体の動きだしは、日本よりメリハリがきいている印象でした。
以前よく見られたラフプレーも減った感じですね(終盤はそこそこラフでしたけどね)。

ただ、反対に言うと、そういうサッカーをする今回の中国代表であれば、日本らしい早く連動した攻撃ができれば、もうちょっと得点もできそうな試合展開でしたが、そうはいかず、後半も押し込まれることもあったりと、結局、試合はそのまま1—1の引き分けで終了。

日本代表は1勝も上げることができず、屈辱の最下位という結果で大会を終えました。
ちなみに、優勝は韓国でした。

参考:ハリルジャパン、中国と引き分け最下位で終了…アジア勢相手に4戦未勝利 | サッカーキング

東アジアカップ2015をテレビ観戦した感想

現状の日本代表には、ゲームを落ち着かせたり、攻撃のスイッチを入れたりといった、ゲームをコントロールできる選手がいないんですね。柴崎にそこらへんは期待しているのすが、もうちょっとでしょうか。

気になった選手では、2得点をあげた武藤と、全試合先発で、2試合は右SBで最終戦はボランチでの先発だった遠藤は、今後が楽しみな選手でした。最後の中国との試合での、左SBの米倉の上がりや攻撃参加も、思い切りがあって面白かったですね。

攻撃では、ハリルホジッチ監督は永井に期待してるようで、3試合全てに先発しましたが、結局、どの試合も永井の消極性が目立つばかりで、見ていてももどかしかったです。スピードは魅力なので、大化けを期待したいところでなんですが…

ワントップの川又も、ほとんど高さで競り負けていて、ポストプレーもほぼできてなかったので、ワントップとしては機能できなかったですね。期待の宇佐美も惜しいシーンを作りはするものの、決めきれないのはプレッシャーかメンタル的なものか。

何だかチームとしてパスにこだわりすぎで、シュートを打ってくれないのはいつものことですが、そのパスもミスが多いようでは、なかなか攻撃の形になりませんね。

そして何より、ディフェンスラインがあまりに心もとなかったですね。
3試合とも森重と槙野のCBなので、もうちょっとできるかと思ったのですが、簡単にカウンターやロングボールで裏をとられてました。

まあ、それはSBや守備的MFとのコンビネーションもあるでしょうからCBだけの責任ではないのですが、結局、失点0(ゼロ)の試合はなく、今回のアジアのレベルであれば、まずはしっかり守ってもらいたいところですね。

それにしても、日本を含めて、残念ながら今大会を見ていて、東アジア全体のサッカーのクオリティは高いとはいえませんでしたね。
その中でも勝てないのですから、重傷かもしれません。

ハリルホジッチ監督の采配についても、あちこちで色々と言われてますが、このメンバーだと、監督もなす術がないといった感じですよね。選手は一生懸命やっているとは思うのですが、そのプレーの様子を見ていると、気迫が感じられないと言われてもしかたがないかも。

だからといって、Jリーグに代わりとなる若いメンバーが他にいるかとなると、それもまた???ですしね。
日本代表は海外組との国内組の差がどんどん広がっている感じで、こうなると、まずはJリーグのレベルアップが必要でしょうね。

ただ、忘れてはいけないのが、海外組が揃っていても、先のW杯アジア2次予選のシンガポール戦では、得点を奪えずスコアレスドローで引き分けに終わっているという事実。ちょっと日本代表が、厳しい時代に入ってきたかもしれませんね。

まずは、9月8日に行われる、W杯アジア2次予選のカンボジアとの試合に、しっかり勝ち点3を手にして、チームを立て直してもらいたいですね。

しかし、未勝利で最下位か〜
あ〜、悔しいな〜

※参考サイト
EAFF東アジアカップ2015決勝大会 | JFA|公益財団法人日本サッカー協会
試合情報 – LEGENDSSTADIUM with EAFF東アジアカップ2015 公式動画
東アジアカップ2015 – Wikipedia