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The Real Folk Blues/マディ・ウォーターズ〜バンドによるシカゴ・スタイルに変わっていく初期のディープなブルースの世界

The Real Folk Blues/マディ・ウォーターズ何だかシカゴ・ブルース関係が続きましたので、その勢いで大御所マディ・ウォーターズです。

初期のマディを聴こうと思うと、先に登場した「ザ・ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ(The Best of Muddy Waters)」が特に有名ですが、更にとその次を探していたので、このレコードを見つけた時は嬉しかったですね。

The Real Folk Blues

チェスのオリジナルは1966年発売ですが、手にしたのは1987年再発の輸入盤ですね。
録音の時期がかなり広範囲で、1947年から1964年までからとなってます。

アルバムを聴くと、まだバンド・スタイルになってない曲もあり、その辺りで、フォーク・ブルースというタイトルなのでしょうか。
ただ、エレクトリックなバンド・スタイルも聴かれて、そちらはもうドップリとシカゴ・スタイルのマディのディープな世界です。

ミシシッピ・デルタ・ブルースをベースにしたスタイルがバンドによる所謂シカゴ・スタイルに変わっていく、この頃の録音は興味深いですよね。


※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。
ちなみにアルバムの曲順は年代順にはなってません。
主な収録曲ではーーー

A面1曲目は、あの「Mannish Boy」です。
個人的には、ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」で、ザ・バンドをバックに”Mannish Boy”を歌う動くマディを初めて観て以来、その強烈な風貌、いや、ブルースにすっかりやられてしまいましたからね。

デルタ・ブルースの香り漂うマディのスライドとビッグ・クロフォードのベースだけによる1950年の「Walking Blues」(A面5曲目)や、「Rollin’ & Tumblin’」(B面3曲目)等もやっぱりカッコいいですね。

1947年のデビュー曲 「Gypsy Woman」(B面2曲目)は、サニーランド・スリム(p)とビッグ・クロフォード(b)のバックによるもので、このセットはこの曲のみです。

アルバム中では一番後年の1964年録音の「Same Thing」(B面1曲目)は、既にモダンな雰囲気が漂い、貫禄あります。

この頃のシカゴというか、チェスのセッションメンバーがとにかく凄いですよね。つまりマディ・バンドですよね。
ハープはリトル・ウォルターにウォルター・ホートン。そして、ジミー・ロジャース(g)、ウィリー・ディクスン(b)、オーティス・スパン(p)、フランシス・クレイ(ds) らの面々が、がっちりとマディのシカゴ・ブルースを支えてます。

そして、もちろんマディのその圧倒的なヴォーカルと、高ぶる感情が乗り移ったような力強いスライドですから、これはたまりません。

やっぱり、マディは濃い~、深い~

◆iTunes StoreでThe Real Folk Blues – マディ・ウォータースをチェックする。

※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.12.21)


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