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トーク・ザット・トーク/サニー・ボーイ・ウィリアムソン〜偉大なハーピストのチェス・レコーディング・セッションの様子を伝える企画盤

トーク・ザット・トーク/サニー・ボーイ・ウィリアムソンこのアルバムは、今聴くと興味深くて、臨場感が凄くて、とても面白いアルバムなのですが、買った当時、まだ若かった私にはちょっと失敗した~という感じでした。

先に言ってしまうと、このアルバムはサニー・ボーイ・ウィリアムソン(IIのほうです)のレコーディング・セッション自体の様子を伝える、まるで実況中継的なものです。

ただ、このアナログレコードを目にした時、いつものように、内容も知らないくせに、これを逃すともうこのレコードにお目にかかることはないのでは…、と思って手が出てしまったんですよね。

偉大なハーピスト、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIのこちらのアルバムです。

トーク・ザット・トーク
Talk That Talk – Sonny Boy At The Chess Studio 1957-1961

1984年発売のPヴァインの国内盤を手にしましたが、これはそもそも、Pヴァインの企画アルバムなんでしょうかねぇ。マスター・テープを取り寄せて、編集したのでしょうか。

ということで、先述の通り、このアルバムはチェスでのレコーディング・セッションの様子を伝えることに主眼を置いているので、正規の録音バージョン以外の別テイク集という訳でもないんですよね。
何たって、演奏を途中で止めてしまうような失敗テイクもわざと収められてますから。
セッションは1957、58、60、61年からのものです。
当然、全て未発表テイクですね(笑)

正直に言いますと、このアルバムを聴く前に、きちんとした正規の録音バージョンを聴き込まないと、面白さが分からない部分もありますよね。比較が出来ませんから。

私は結局、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIのアルバムは、これと、先に出てきた「Down And Out Blues」しか持ってないので、元のバージョンを知らない曲が多々あります。
なので、残念ながら充分にこのアルバムを堪能しているとはいえません。
ちなみに、その「Down And Out Blues」に収録されている曲は5曲でした。

ただですね、この頃のチェスでのセッション・メンバーは凄いですからね。
ロバート・Jr.ロックウッド、ルーサー・タッカー、ウィリー・ディクソン、オーティス・スパン、フレッド・ビロウの面々。

この素晴らしいバックと、サニー・ボーイとの生々しいセッションのやり取りの様子や、息づかいが伝わってくるのですから、結構聴きごたえがあります。

曲によっては何テイクか収録していて、サニー・ボーイが途中のテイクから疲れてくる様子が伝わってきたり、演奏が上手く合わなくて、何やらやり取りしている会話が聴こえてきたりと、スタジオの雰囲気も感じられます。

もちろん、サニー・ボーイのハープは表情豊かで素晴らしいのですが、このアルバムの聴き所はこういう所なのでしょうね。

チェス・レコーディング・セッションを実感するという、一種の企画物ではありますが、サニー・ボーイのオリジナル・アルバムをきちんと聴いてからこのアルバムを聴くと、より一層楽しめそうです。

※いつものようにAmazon.co.jpのアソシエイトプログラムでCDを紹介しようと思ったのですが、見つけられませんでした。

◆iTunes Storeでサニー・ボーイ・ウィリアムソンをチェックする。

※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.12.20)


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