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Mellow Fellow/フェントン・ロビンスン〜繊細で独創的なブルースを奏でるメロウ・ブルース・ジニアス

Mellow Fellow/フェントン・ロビンスンメロウ・ブルース・ジニアスと称され、モダン・ブルースの中にあって、独創的で異彩を放つと言われるフェントン・ロビンスンです。

正直言いますと、ブルースのレコードを聴き出していた頃、あまり独創的とか異彩とか言われると、懐具合を考えながら王道のブルース名盤を追いかけるのが精一杯な身では、なかなか手が出なかったのですが、そんな中で手にしたのが、こちらのアルバム。

Mellow Fellow

このアルバム自体は1986年の発売のようですが、1971年のCharly盤の再発ですかね。
ちょっと詳細は分かりませんが、made in the EEC とあるので、まあヨーロッパ盤といったところでしょうかね。

全体の印象は、かなり意欲的で洗練されたモダン・ブルースですね。
1曲目の代表曲「Somebody Loan Me A Dime」からカッコいいです。

ただ、これはオリジナル(最初の)の録音ではなく、この曲を含めて収録曲にはギターを弾いていない曲もあるようです。代わりのギターは音が歪みすぎで、ちょっと辛い部分はあります。

ただ、他で聴かれるフェントン・ロビンスンのギターはクリアなトーンでチョーキングはあまり使わず、フレーズを細かく刻むスタイルは独特で、時にオシャレですね。
ブルース・ギターで一般に好まれる、スクィーズ系のギターとは両極を成してます。

更にホーンも入るそのサウンドはかなりリズムの効いたファンキーさで、これまた独特(ちょっとバタバタした感はありますが)。

「Mellow Fellow」のようなスローな曲にしても、普通にイメージするブルースに比べると、かなり洗練されている感じですね。

実は、久しぶりに今回聴いたのですが、ブルースといってもこの独創的なサウンドは魅力ですね。
メロウ・ブルースとはなんぞやって感じですが、甘く良く通るヴォーカルが、普通ブルースで言われる、ディープとか渋いとかではなくて、繊細ささえも感じる味わいです。

しかし、あまり独創的とか異彩とか、斬新とか言わない方が良いかもしれないですね。
それは聴く方の感じ方ですからね。

どうも私も、クセのある音楽なのかな、という先入観が強くて、手にするのが後になってしまいましたが、実際に聞いてみると、いいものはいいんですよね。

フェントン・ロビンスンは、1997年に他界してます。

 
※Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムでMP3ダウンロード(左)とCDを紹介していますが、記事中の所有のものとは同じものではないのでご了承願います。ジャケットが違い収録曲も多く、元が一緒かどうかが分かりません。

◆iTunes StoreでMellow Fellow – Fenton Robinsonをチェックする。

※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.11.23)


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