キリンカップサッカー2016 日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表 テレビ観戦記(2016.6.7)

5年ぶりの開催となるキリンカップの決勝の対戦相手は、ボスニア・ヘルツェゴビナです。

キリンカップサッカー2016 日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表

キックオフ:2016年6月7日(火) 19時30分
試合会場:市立吹田サッカースタジアム

試合開始前の個人的な注目ポイント

(試合開始前に執筆してます)

初戦のブルガリア戦を7—2の大差で勝った日本代表ですが、ブルガリアのできを考えると、真価が問われるのはこの試合ですよね。

ボスニア・ヘルツェゴビナのFIFAランクは20位で、日本の53位に対してランキングは目安とはいえ、明らかに格上の難敵です。

この試合、日本は本田と香川が怪我のため出場しないということで、主力の2人が不在の日本代表が強豪相手にどういった試合を見せてくれるかも楽しみです。

対するボスニア・ヘルツェゴビナも、今回はピアニッチやジェコなど主力選手が怪我のため離脱ということですが、それでも初戦のデンマークをPK戦の末に退けて決勝に進んでいて、やはり強いですよね。

(以上は試合開始前に執筆しました)

先発メンバー

GK 12 西川周作
DF 21 酒井高徳/DF 22 吉田麻也/DF 6 森重真人/DF 5 長友佑都
MF 17 長谷部誠/MF 7 柏木陽介
FW 18 浅野拓磨/MF 13 清武弘嗣/FW 11 宇佐美貴史
FW 9 岡崎慎司

清武が前情報通りトップ下ですが、期待ですね。
浅野を先発に使ってきましたね。注目です。

試合観戦記《前半》

いきなりですが、前半1分過ぎ、ボスニア・ヘルツェゴビナのFKからの長いロングボール1本で、ペナルティエリア内で198cmの長身FWジュリッチに簡単に頭で合わせられて、これは高さに苦労しそうです。

試合は、日本がボールを持っても、さすがにボスニア・ヘルツェゴビナはプレスも早く厳しく、自由にはさせてくれないですね。というか、奪ってからの早い攻撃など、ボスニアのほうが押し気味の展開です。

サイドが上がってスペースが空けば、そこを狙われますし、足元も上手いですしパスもつなげますし、高さはもちろん脅威ですが、高いのにスピードもありますね。

前半15分、長谷部からの縦パスを受けた清武のクロスバーに当たる惜しいシュートがありましたが、清武は前の試合に続いていい動きです。

ボールを持ってもなかなか攻めきれない日本でしたが、前半28分、宇佐美が左サイドでボールを持つと、スペースが空いた途端にギアを上げて、早く鋭いドリブル突破からのグラウンダーのクロスに清武が左足で合わせてゴーーール!

日本、待望の先制点ですが、宇佐美のドリブルは見事でしたね。

しかし、喜んだのも束の間、そのすぐ後の前半29分、ふわりと浮かした縦のロングボール一発にペナルティ・エリア内で頭で合わせられ、これは一旦、西川が弾いたものの、それをジュリッチにダイレクトで合わせられ失点。

あっという間に1—1に追いつかれてしまいましたが、う〜ん、あまりにも簡単に裏を取られ過ぎですね。
最初に裏を取られたのは吉田だったんですが、さらにジュリッチには誰もついて行ってなかったですね。せっかく先制点をあげたのに、もったいないです。

その後は一進一退で、日本は時折ゴール前まで迫るものの、なかなか決定的な形までいかず、攻めあぐねる日本に対し、ボールを奪うと縦に素早くボールを運びゴールに迫るボスニア・ヘルツェゴビナといった構図でしょうか。

前半はこのまま1—1で折り返しましたが、それにしても、緊迫感のあるいい試合ですね。
こういう試合はチームの強化になりますね。

試合観戦記《後半》

後半開始からの交代は、MF 7 柏木→MF 3 遠藤航
ここ数試合いい仕事をしてきた柏木ですが、この試合では、ボスニア・ヘルツェゴビナの高さ、強さ、そしてスピードに、特に守備に関しては通用しなくて、このままではちょっと厳しいですね。

後半に入っても、お互いに集中した展開が続き、日本ボールになってもボスニア・ヘルツェゴビナは素早いプレスで速い攻撃を許さないですね。

中盤でボールを保持して攻撃のタイミングを伺う日本ですが、ボスニア・ヘルツェゴビナになかなか隙がなく、日本は浅野のスピードと岡崎の動き出しに活路を見出そうと、裏を狙うボールが増えてます。

それにしても、タイトルのかかる決勝ということもあって、ボスニア・ヘルツェゴビナは集中していて攻守の切り替えも早く、さらにかなり激しく、ガツガツきますね。いい試合です。

後半21分、ボスニア・ヘルツェゴビナの選手交代があったすぐ後、ボスニア・ヘルツェゴビナのFKから右サイドに簡単にボールが渡り、中に切れ込んでから出した縦パスを受けた、またもやジュリッチがきっちり決めてボスニア・ヘルツェゴビナが2—1と逆転。

いや〜、相手選手2人で決められましたね。
それにしても、長身FWのジュリッチは足元も上手くて、決定力もうらやましいくらいに素晴らしいですが、簡単にサイドでボールを持たれたのが長友で、吉田が簡単にジュリッチに間に入られてしまいましたね。う〜〜む…

日本は点を取りにいかないとだめで、次々に選手を交代します。
DF 5 長友→DF 20 槙野智章(後半25分) 槙野のフィジカルに期待です。
FW 11 宇佐美→MF 24 小林祐希(後半29分) 小林が初出場。積極的な攻撃を見せてもらいたいです。
FW 9 岡崎→FW 15 金崎夢生(後半34分) 岡崎は今日はかなり厳しいマークにあってましたね。

終盤は、日本がボールを保持するのですが、ボスニア・ヘルツェゴビナの守備はブロックを敷いてしっかり守っていて、日本が突破をはかっても、いざという時には、ボスニアは集中が切れません。

さすがに日本の足が止まったか、動きが少なく攻め切れません。
MF 17 長谷部→FW 14 小林 悠 (後半43分) ワンボランチですね。

最後のビッグチャンス。アディショナルタイム、ペナルティエリア内で抜け出し、フリーでボールを受けた浅野でしたが、シュートを打たずになんとパスを選択。

これは相手DFに防がれてしまうのですが、う〜ん、これはあまりに消極的。浅野は90分間懸命にプレーしてきただけに、何とも残念なプレーです。

試合は結局、このまま1—2で試合終了。

日本は残念ながら敗れて、キリンカップサッカー2016は、ボスニア・ヘルツェゴビナの優勝で終了しました。

おわりに

各選手が初戦ほど活躍できなかった、というのは、対戦相手のレベルが上がると、当然、思ったようなプレーをさせてもらえない、ということですよね。

終盤、フレッシュな攻撃的な選手を投入しても攻めきれませんでしたが、新しい選手が入ってくると、連携が悪くなるのはやむを得ないですし、今日の厳しい試合では、途中出場の選手たちはあまりインパクトは残せませんでしたね。

こうなっちゃうと、やっぱり本田と香川がいないとダメか、ってことになってしまうのかな。
まあ、今日のボスニア相手では、2人がいてもチームとしては劣勢だったかもしれませんけどね。

それにしても、ボスニア・ヘルツェゴビナはいいチームでしたね。
ただ、2014年のW杯には出場してますが、これから始まるユーロ2016には出場しないチームなんですよね。

現状、日本はヨーロッパの中堅チームに勝つ実力はないということで、初戦のブルガリア戦の大勝で勘違いせずに済んでよかったのかも。悔しいけど、これを糧に、気を引き締めて最終予選に臨んでもらいたいですね。

プレスの厳しい中での連携、連動の正確さ、高さとフィジカルの強い相手への対応など課題は多いですね。もちろん、フィニッシュの精度も。

それにしても、今日の試合では、守備のもろさが目につきましたが、簡単に裏を取られている点は、何とかしてもらいたいですね。
現実的には、守備の精度を上げて行かないと、強豪国と対等に試合はできないでしょうからね。

今日の敗戦はもちろん悔しいですが、この結果を是非、次に生かしてもらいたいですね。

そうそう、ボスニア・ヘルツェゴビナと引き分けPKだった、デンマークとの対戦も見てみたかったですね。