サッカー女子リオ五輪アジア最終予選 日本代表なでしこジャパン対中国女子代表 テレビ観戦記(2016.3.4)

サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のリオ五輪アジア最終予選。
初戦のオーストラリア戦を落とし、2戦目の韓国戦は引き分けと、まさかの崖っぷちのなでしこジャパン、第3戦の対戦相手は中国です。

リオ五輪アジア最終予選
日本代表なでしこジャパン対中国代表

キックオフ:2016年3月4日(金) 19時35分
試合会場:キンチョウスタジアム

リオ五輪アジア最終予選は、日本、オーストラリア、韓国、中国、ベトナム、北朝鮮の計6カ国が総当たりで、上位2カ国がリオ五輪出場権を獲得します。

なでしこの先発メンバーは、
GK:福元美穂(岡山湯郷)
DF:近賀ゆかり(INAC神戸) 、田中明日菜(INAC神戸) 、熊谷紗希(リヨン) 、鮫島彩(INAC神戸)
MF:中島依美(INAC神戸) 、川村優理(仙台) 、阪口夢穂(日テレ) 、宮間あや(岡山湯郷)
FW:大儀見優季(フランクフルト) 、横山久美(長野)

韓国戦からは、先発メンバーが3人代わってます。

試合観戦記

試合開始から、思ったほどなでしこは主導権を握れず、互角ともいえる立ち上がりでした。

というのも、なでしこは相変わらずパスミスが多いんですよね。
さらには前の2試合同様、相変わらずプレスが甘く、クロスへの対応も何とも心もとないです。

すると前半14分、川村の中途半端なバックパスに、DF2人が反応できず、反対に素早く反応した中国選手にボールを拾われ、そのままシュートを打たれて、あっさり先制点を与えてしまいました。

う〜ん、単純なミスですが、川村の不用意なバックパス、それにDFの田中もボールを見てるだけでなくて、もうちょっと何とかならなかったでしょうか…

それにしても、なでしこは意思の疎通がとれてないパスミスが多く、どちらかというと、中国の方が連携がとれたパスワークを見せていますね。加えて、出足も中国の方が素早く、試合は中国ペースで進みます。

それでも、30分頃から少しずつ、サイドを起点に攻撃の形を作り、日本の時間ができるようになるのですが、なかなかシュートまで持ち込めません。

前半はこのまま0—1と中国リードで折り返します。

うーむ、今さらですが、例えばもうちょっとスピードがあれば、パスワークがうまくいかない時の打開策になるのですが、これだけパスミスが多く、連携が悪くてパスが繋がらなくなると、攻め手が全くなくなってしまうんですよね。

後半修正して、なでしこらしいパスワークができるようになるのか。現状は、明らかに中国の方に勢いがあり、このままでは、なでしこに得点の匂いがしません。

後半開始から、川村に変わって岩渕真奈を投入しました。
横山がサイドに入り、宮間がボランチに入りましたね。
守備的な川村を下げて、後半立ち上がりから攻勢をかけたなでしこです。

が、追加点は中国でした。
後半13分、中国は日本陣内で、左から右へサイドチェンジをすると、日本のDF陣の間から放ったミドル・シュートが鮮やかにゴールネット揺らし、なでしこ、痛い追加点を奪われます(0—2)。いよいよ崖っぷちです。

それにしても、プレスが甘いですね。シュートを打つ選手に、あと一歩でも半歩でも寄せたいところでしたが、それはこの試合始まってずっと、いや、この最終予選が始まってずっと言われていることなんですが、この大事な場面でも修正できませんでしたね。

やや、焦りも見え出したなでしこですが、もちろん、諦めずに攻勢をかけます。
すると、後半20分、サイドからのグラウンダーのクロスが、相手DFに当たってこぼれたボールを横山が拾い、そのまま持ち込みシュート!
これがようやくゴールネットを揺らし、なでしこ1点を返します。

後半23分、中島に代わって川澄奈穂美。
当然、点を取らないといけないので、前がかりになり、時折カウンターのピンチがあるのはやむを得ないですね。

ただ、早く追いつきたいなでしこの攻撃が、時間が経つにつれ、ロングボール中心の単調なものが増えてきて、これでは守備を固める中国を崩せませんね。焦っても、やっぱりサイドからかな。

後半42分、鮫島に代えて高瀬愛実。
ロングボールを使うなら、フィジカルの強い高瀬をもっと早く入れてもよかったですね。

何とか得点したいなでしこが攻めるものの、結局、その後も中国のゴールネットを揺らすことはできず、このまま無情にも終了のホイッスル。

なでしこは1—2と敗れ、勝ち点を上げることさえもできず、リオへの道はほぼ閉ざされてしまいました…

おわりに

一時は世界を驚かせたなでしこのパスサッカーですが、それも研究し尽くされ、各国も急速にレベルアップをする中で、なでしこだけが、その成長スピードに追いつけずに取り残された感じでしょうかね。

それにしても、最後までパスミスは修正できませんでしたね。宮間までパスミスを繰り返してましたからね。
それに、個人的には、極端に決定力不足で得点の期待がもてない現状で、こういう絶対負けられない試合では、失点しないためにも、経験のある岩清水が必要だったんではないかな。

これでリオ五輪は絶望的で、残り2試合は何かしら次につなげてもらいたいところなんですが、育てたい若手のメンバーが今回は選ばれてないんですよね。

次は中2日で、3月7日にベトナムとの対戦です。
3試合で1分2敗の勝ち点1の惨状で、こういう結果になると、観戦記を書くモチベーションもがっくし下がってしまうのですが、最後までしっかり応援したいと思います。

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