なので、1969年にこの人の突然の訃報を聞いた時の空虚感もかなりのものだったようです。
1950年代から60年代にかけてオーティス・ラッシュ、バディ・ガイらとともにシカゴ・ブルースの新世代として活躍した、マジック・サムです。
私は、もちろん後になってから聴いたのですが、まず手にしたのが、こちらのアルバムでした。
「マジック・サム・ライブ」
(Magic Sam Live)
1981年にリリースされたライブ盤ですね。名盤といわれています。
1963年と64年のシカゴの小さな黒人クラブ「アレックス」での演奏と、1969年のアン・アーバー・ブルース・フェスティバルを収録した2枚組です。
1枚目がシカゴのクラブでのライブで、ファッツ・ドミノで知られる「Every Night About This Time」やフレディ・キングの「Tore Down」等、ギラギラした演奏を聴く事ができます。
サックスには、あのA.C.リードの名前もありますね。
※ジャケット画像はAmazonアソシエイトより。録音状態が…云々、等と言っている場合ではなく、こんなもの凄い熱気の中での生々しい音を聴く事ができる事が素晴らしいんですよね。
当時のクラブにおける、ノンフィクションのブルース実況録音盤という趣で、臨場感にワクワクします。
2枚目の1969年のアン・アーバー・ブルース・フェスティバルのライブは、更に圧巻です。
一万人もの観衆の前で繰り広げられたという、エネルギーほとばしる、堂々たる演奏は最高です。
しかも、これがトリオの演奏とは…
ちなみに、ドラムのサム・レイは会場で助っ人として頼んだらしいです。で、この演奏ですからね。
疾走感抜群、そして感情溢れ出るギター。細かくヴィブラートしてシャウトする、しなやかで力強いヴォーカル。聴きごたえ充分です。
「I Feel So Good(I Wanna Boogie)」は演奏の勢いが伝わってきて、レコードを通して聴いているこちらも熱くなってきます。
有名な「Sweet Home Chicago」も、この人の演奏が断然カッコいい~!
アルバム最後の方は「I Got Papers On You,Baby」に「Looking Good」と、怒濤のパフォーマンスが続きます。
これぞ、シカゴ・モダン・ブルース・ギター!!!
実際のライブから12年経って実現したこのPヴァインによるレコード化は、生前の活躍を知るファンにとっては本当に待望のものだったようですね。
それにしても、生前にリリースしたアルバムはたった2枚ですからね。
これだけ素晴らしいミュージシャンなのに、1969年12月1日に心臓発作により32歳という若さで死亡とは、何とも残念です。
◆iTunes StoreでLive! – Magic Samをチェックする。
※Amazonアソシエイトプログラム等で紹介してますが、記事中のものと同内容でない場合もあるのでご了承願います。
※この記事は旧ブログ「アナログレコード回顧録」の記事を加筆・修正したものです(2015.9.9)
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